当会議所会員創業記念表彰を受賞された会員のみなさんをご紹介します。 昭和8年に創業し90周年を迎えた六時屋。社名は、創業者の村瀬宝一氏が時計の六時は長針と短針がまっすぐになることから、「まっすぐ正直な心で商売をする」との思いを込めて命名した。昭和23年、三越松山店の入口で、小麦粉と卵、砂糖を持参したお客様にタルトの賃加工を行い、戦後甘いものに飢えていた人々は喜び評判となった。その後、勝山町の自宅を改装し、製造販売をスタート。社長自ら前掛け姿で函を背負ってバイクに跨り、タルト一本でも即配達する商売熱心℡089-941-6666 六時屋タルトは、一本、一本まごこさで有名になった。ろを込めて巻きあげてつくるのが特徴だ。大量生産を行うため、機械で巻く企業も多いが、六時屋では、職人が手作業で北海道産小豆を使用したあんを生地にたっぷりと塗り、独自の製法による「すだれ巻き」で一本ずつ巻く。手で巻きあげることで、あんが端まで塗れ、最後にぎゅっと締められるので、きれいな『の』の字形になる。熱を抜くために、一晩寝かせた後、袋と箱詰めをして店頭へ。保存料や食品添加物を一切加えない。創業から変わることのないこの製法は二代目和夫氏、現三代目社長聡一郎氏へ受け継ぎ守られている。皇・皇后両陛下が六時屋タルトを召しあがったことがきっかけで、昭和41年の植樹祭来松時にもご用命を受けた。また、創業70周年記念で生まれた「超特選タルト」は、原材料にこだわった六時屋一押しのタルトとなっている。今後は来るべき創業100周年に向け、「針はまっすぐ正直に」の企業理念のもと、「何時も変わらぬおいしさ六時屋タルト」を継承し提供する。 茶葉・茶道具に一切の妥協を許さない上岡軒茶舗。初代の喜三郎氏が現在の銀天街にて創業し、当初は茶葉と乾物を取り扱っていた。 二代目の賢二氏のころから茶道具も取り扱った。当時は、茶葉・茶道具を扱う会社にとって非常に良い時代だった。お茶人口も多く、花嫁修業のためにお茶を学ぶ人も多かった。また家元がカリスマ的な人気を誇っていたこともあり、商売は最盛期を迎えた。 現在代表を務める三代目の大樹氏は、茶葉・茶道具ともに、高品質なものを取り扱うという創業当時から変わらない考えを承継しながら、時代に合わせた考え方を融合させ、新しい「お茶」の形を創造している。令和に入ってコロナウイルスの影響によりお茶会が減少したこともあり、長年構想を練ってきたカフェスペースを創設。これまでは、高齢者の方が来客者の大半を占めていたが、若者受けするメニューの取り入れや、良心的な価格の設定により、学生をはじめとした若年層も来店するようになった。カフェに訪れた学生が茶葉を購入して帰ることもあるなど、お茶に馴染みの薄い若年層の取り込みに成功した。また、近年お茶を新たに始める人は減少しつつあるが、抹茶ブームによる外国人観光客の購入は増えてきている。大樹氏は、来店をきっかけに、若い世代や外国人の方々に、もっとお茶に興味を持ってもらえたらと願う。 創業時からの文化や伝統を継承し、可能性を追求し続ける同社は、一貫した経営理念を守りながら、新たな取り組みに挑戦していく。27会員トピックス℡089-941-5158創業昭和8年創業 昭和28年、国体で来松された昭和天創業昭和18年創業創業者の意志を受け継ぎ、一つ一つ真心を持って作り続けることで本物の味を残します代上岡 大樹住松山市大街道1-6-6店内で美味しい抹茶と抹茶スイーツをお楽しみください。ご来店お待ちしております。昭和48年頃の店舗1961年(昭和36年)に落成した工場メッセージメッセージ(株)六時屋代村瀬 聡一郎住松山市勝山町2-18-8(有)上岡軒茶舗まっすぐで正直な心で巻かれたタルトお茶の文化を次代に継承90 周年80 周年ままつつややままのの老老舗舗
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