所報1月号
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髙橋 コロナ禍の影響もなくなり、以前と変わらない新年を迎えることができました。景気も緩やかに回復を続けており、本年もこうした基調が続くものと期待しているところです。一方、地政学リスクに端を発する原材料高や、それに伴う物価高、さらに、人手不足等を背景とした賃上げなどにより、経営のコストは急激に上昇しています。また、地方においては、少子高齢化と人口減少が加速しており、企業の人手不足は、事業継続が危ぶまれるほど、深刻な状況になっています。これまでのコロナ禍の対応から脱却し、社会課題に対応しながら、新たなシステムを模索することが求められており、2025年は大きな転機の年になるのではないかと感じております。清水 これからの社会は、進化するデジタル化を如何に取り入れるかが鍵になります。AIや、自動運転、キャッシュレスなど、テクノロジーの活用は、企業として早急に取り組むべき課題です。宮﨑 人口減少により、管内の市場が縮小する中で、地域経済を維持するためには、交流人口の拡大に取り組む必要があります。外から人を呼び込む仕組みを新たにつくっていく必要があります。三好 市場縮小に止まらず、人手不足、後継者難と、大きな影響を受けるのは中小企業です。激変する社会の中で、企業自体が変容していくことも求められています。守谷 人口は減少しますが、高齢者や外国人材は増加していきます。持続可能な社会を構築するためには、企業や地域がダイバーシティに取り組むことも必要です。髙橋 まさに、松山市においては、少子高齢化と人口減少が進行しています。人口は50万人を割り込み、2060年の推計人口は36万人で、約3割の減少が予測されています。人口減少により、現在の延長線上では、地域経済が成り立たなくなります。今お話しがあった通り、デジタル化やグローバル化が、ビジネスのあり方を変えている中で、地方でも付加価値の高いビジネスをグローバルに展開することも可能になりました。また、海外からは日本の文化や自然といったものが見直されており、松山市においてもインバウンドが増加しています。三好 管内市場が縮小する中で、デジタルを活用して販路開拓を行ったり、松山に来るインバウンド向けのビジネスを拡充したりすることが期待されます。海外進出だけではなく、企業のビジネスをグローバル化させていく必要があります。清水 例えば、AIをいざ仕事に活用するにも、ChatGPTより簡易に誰でも使える、AIツールが、安価で出始めています。これまで時間を掛けて作っていた議事録や資料など、AIが一瞬で、自動で行う時代。ホワイトカラーの仕事のあり方も根本から変わりま2025年は大きな転機の年に・・・特集2新春座談会2025まつやまの未来像と商工会議所の役割将来のまつやまの姿と商工会議所がなすべき事業とは新型コロナの影響も落ち着き、2024年は本格的に社会経済活動が再開した。国内の景気も底堅く推移したものの、少子高齢化と人口減少により、企業の人手不足が深刻化するとともに、デジタル化やグローバル化が劇的に進行し、企業や地域のあり方が大きく変化している。こうした中で、四国、愛媛、松山のあるべき姿、それを実現するための商工会議所の役割について、正副会頭が語り合った。

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