所報2月号
15/24

│自身の活動について…。現在は地球深部ダイナミクス研究センターの数値系地球科学部門において、コンピューターシミュレーションを使った鉱物の性質に関する研究を行っています。コンピューターシミュレーションを用いることで、実験困難な地球や惑星内部の超高温超高圧下環境での観測を可能とし、そこで安定化する新たな高圧鉱物の発見や、物質の性質に関する高精度予測を行っています。また、近年新たに見つかっている地球と同じような酸素を多く含む大気を持つ可能性のある系外惑星について惑星科学研究者と共同研究を始めています。将来的に惑星探査や生命誕生の謎の解明に活用できるのではないかと センター長・教授【AIRAPTームページ】httpsnt/airapt29/ ://smartconf.jp/conte期待しています。│今後の展開について…。地球深部ダイナミクス研究センターでは、令和5年度から超高圧科学部門を設置しました。企業と連携して、世界一の大きさを誇る油圧プレス実験装置を置き、実験を行う中で生まれた副産物である超硬質のダイヤモンドや、地球環境では存在しないような物質の合成を行っており、これらの物質を産業応用に活用する検討も進めています。また、9月末にAIRAPT29という高圧力の科学と技術に関する大規模な国際学会を松山で開催します。地元企業の方々と意見交換をできる場を設けたいと考えていますので、興味がある方はご参加ください。      〜地球深部の知見がもたらすイノベーション〜第135回今回は愛媛大学において特徴的な先端的研究を推進している地球深部ダイナミクス研究センター 土屋卓久氏にお話を伺いました。│プロフィールを教えてください。生まれは東京で、幼少期から高校までを横浜で過ごしたのち、大阪大学理学部物理学科へ進学しました。子どものころから天文学や地学に関心を持っていたこともあり、物理学を応用してコンピューターシミュレーションを用いた地球や惑星の構造の研究を行っていました。大学院ではさらにそれらを応用し、地球やその他の惑星を形成する鉱物の性質を研究しました。コンピューターシミュレーションや物理学的手法を用いた研究は、当時世界でも先駆的であり、宇宙地球科学専攻の1期生として研究に挑戦できる環境に興奮していたことを覚えています。惑星研究と産業応用の融合13コラム国立大学法人愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター座右の銘は、「雨垂れ石を穿つ」、「胆大心小」。研究成果は弛まぬ努力の先にある。そして、大胆でかつ繊細であれ。学生には、楽しいこと、辛いことを地道に続けることによって、やがて成果が出てくることを伝えている。趣味は、研究と将棋と庭いじり。29 ホ 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学研究・産学連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!土屋 卓久(つちや たく) センター長・教授       で      をパワーアップ!産学連携 地域経済

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る