松山商工会議所のCSRへの取組み


CSR(企業の社会的責任)とは 〜CSRの背景と役割〜



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1.CSRとは

CSRとは、事業活動を進める中で、法律を遵守しながら効率を追求し収益を確保することだけでなく、社会的な公正さや環境への配慮、地域への貢献などを通じ、利害関係者(顧客、消費者、取引関係、地域住民、株主、従業員、金融機関、NPOなど)に対して積極的に責任ある行動を取るべきという考え方です。CSRへの取組みが企業価値の向上や競争力強化につながるとの考えが一般的となっており、国内でも企業の自主的な取組みが急速に拡大しています。

社会に役立つ製品やサービスを提供するなど、本業を通じた社会貢献のほか、地域社会の一員として、周辺の清掃活動や児童の登下校の見守り、消防団活動の支援などを行うこともCSRの取組みの一つと考えられます。

2.CSRが注目される背景

過去10年ほどの間に、アメリカやヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジアにおいても、ほぼ同時にCSRが注目を集めるようになってきました。調和を重んじる日本社会においては、近江商人の精神「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」や石田梅岩の「実の商人は、先も立、我も立つことを思うなり」のように、江戸時代から顧客や社会に満足される商売を心がけており、日本の伝統的手法はCSRのお手本であるといえます。また、1970年代の高度経済成長期には、公害の対応などから企業の社会的責任が追求され、CSRに対する取組みは諸外国に比べても早いと言えます。

しかし、近年のグローバル化の進展に伴い、企業を取り巻く環境が大きく変化しており、その変化のスピードも加速しています。グローバル化に伴う競争の激化は、効率性を優先した結果、コンプライアンスに関する意識の欠如にもつながり、食品偽装、耐震偽装など企業不祥事が多く見られるようになりました。

また、資源の枯渇、地球温暖化、格差拡大、失業問題などの国際社会共通の課題に対応し、持続可能な社会を構築するには、企業の果たす役割に大きな期待が寄せられています。

さらに、ステークホルダー(利害関係者)の価値観や関心が多様化しており、インターネットなどの高度情報化の進展とも相俟って企業のあらゆる活動が注視されています。

3.CSRを取り巻く動き

今後、国際標準化機構(ISO)では、社会的責任(SR)規格ISO26000を2010年半ばに発効する予定です。ISO26000は、品質のISO9000や環境のISO14000のような認証規格ではなく、ガイダンス規格となっており、発効されればCSRを取り巻く動きが活発化するものと予想されます。

産業界ではCSR調達の拡大が進んでいます。CSR調達とは企業が原材料や部品などを調達する際に、取引先のCSR取組みを調達方針として提示し、これに合致するところと取引を行うものです。例えば自動車産業では産業の裾野が広く影響が広範囲に及ぶため、中小企業であってもCSRと無関係ではいられない状況となりつつあります。

行政においては、CSRに関する様々な研究会が立ち上げられ報告や提言がまとめられたりしており、今後、国や自治体が積極的にCSRの啓蒙や普及を促進していこうという施策の展開が期待されています。

4.CSRは企業価値向上ツール

これらのことを踏まえると、最近のCSRは、「義務」としての社会的責任から「期待に応える」社会的責任へ進化していると言えます。CSRへの前向きな取組みは企業価値向上につながり、経営にメリットをもたらす有効なツールであるという認識が広まっています。

経営理念の実現がステークホルダーの理解につながり、従業員のやる気や帰属意識の向上が企業の活性化につながっていき、また、顧客満足度の向上が売上の増加につながり、信頼度の向上が金融機関や投資家の支持につながっていく、といったような好循環が生まれることで、CSRを経営の中核に位置付けた企業と地域社会が共に発展していくものと期待されます。

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